おすすめの本「コンパス」
最新号 2025年7月(No. 11)
中学生向け
読み物
学校に行かない僕の学校
尾崎英子(作)
ポプラ社
あることをきっかけに学校に行けなくなった薫は、森の中にある全寮制のフリースクールに行くことを決めます。そこにはそれぞれの事情を抱えた寮生たちがいて、彼らとの交流を通して、薫はだんだんと自分の内面と向き合いはじめます。
ロンドン・アイの謎

シヴォーン・ダウド(著)越前敏弥(訳)
東京創元社
十二歳のテッドは、いとこのサリムの希望で、観覧車ロンドン・アイに乗りに行きます。けれども、一人で観覧車に乗ることになったサリムは、そのまま姿を消してしまいました。テッドは、論理と発想を駆使してサリムが消えた謎に挑みます。
オランジェット・ダイアリー

黒川裕子(著)
光村図書出版
大人に将来の夢を聞かれてうんざりしている中学三年生の樹々。ガーナ生まれで幼馴染のリクは、特待生になるほどバレエが上手ですが、バレエを諦めた樹々は、やりたいことが決まっていません。そんなある日、学校の三者面談で職場体験の提案をされます。
わたしたち地球クラブ

キャリー・ファイヤーストーン(著)服部理佳(訳)
小学館
気候変動に関心を持つフィッシャー中学の生徒九人は、新設された「地球クラス」のメンバーに選ばれます。彼らはそれぞれが持つ事情に悩みながら、地球のためにできることは何なのかを考えます。
13歳からの考古学 なんでファラオは男なの? ー古代エジプト女王の源流を探す旅ー

山花京子(著)近藤圭恵(画)
新泉社
13歳の美羽は、引っ込み思案な女の子。ある日、エジプト人留学生のヤスミーンと仲良くなり、彼女の帰省について行きます。美羽は、現地の小学校でスピーチをしたり、本物の遺跡を見るなど、様々な体験を通して、古代エジプトの女性の権利や役割に興味を持ちます。
ルール!

工藤純子(著)
講談社
中学二年生の知里は、スマホの使用は原則禁止という校則を破り、スマホを没収されてしまいました。取り戻すには、反省文を職員室で読み上げなければいけません。理不尽な校則は何のためにあるのか。文芸部の仲間とともに、校則を変えようと行動を起こします。
車いすでジャンプ!

モニカ・ロー(作)中井はるの(訳)
小学館
十二歳のエミーは、生まれつきの車いすユーザーです。憧れのモトクロス用の車いすを購入するため通販サイトを経営して、お金を貯めています。何でも一人でできるのに、学校で転んだことがきっかけで、校長先生から介助員をつけると言われてしまいます。
七月の波をつかまえて

ポール・モーシャー(作)代田亜香子(訳)
岩波書店
ゴシックメイクで臆病な心を隠している十二歳のジュイエ。夏休みを過ごすことになった海辺の町で、太陽みたいに明るいサーファーガールのサマーと出会います。ひと夏の間にさまざまな経験をし、二人の心に変化がおとずれます。
読み物以外
スマホアプリはなぜ無料? ー10代からのマーケティング入門ー

松本健太郎(著)
河出書房新社
私たちの身近には、無料で使えるサービスがたくさんあります。動画や音楽、SNS、漫画やゲームのアプリ…。どうして無料でアプリを提供しているのに、企業は損をしないのでしょう。経済のしくみを学んで、その秘密を探ってみましょう。
未知なる冒険の物語 ーはじまりの旅、ラスト・リバーを探してー

名もなき冒険家(文・絵)
トゥーヴァージンズ
アマゾンの奥地を旅しているときにみつけたトランク。その中には「ラスト・リバー」を探す旅に出かけた、名もなき冒険家の文章や絵が入っていました。スケッチブックに綴られたアマゾンの自然や冒険はどんなものだったのでしょうか。
もしもミツバチが世界から消えてしまったら

有沢重雄(著)中村純(監修)
旬報社
古代より我々の暮らしに恩恵をもたらしてくれているミツバチ。しかし、近年世界各地で一夜にしてはたらきバチが消えるという現象が発生しています。ミツバチとはどんな生き物で、今どのような危機が迫っているのでしょう。
13歳からの対話力

田村次朗(監修)
くもん出版
思いがけず学級委員になってしまった中学2年生ののど か。文化祭のクラス演劇のリーダーとしてクラスをまとめるのに苦労していたところ、なぞの生物ネゴ=チャンが現れ「対話の極意」を教わることに…。対話と交渉の基本が学べる本です。
それはわたしが外国人だから? ー日本の入管で起こっていることー

安田菜津紀(著)金井真紀(絵・文)
ヘウレーカ
日本には外国にルーツをもつ人たちが沢山いますが、新たに日本にやってきた人たちが定住することは難しいとされています。日本への出入りや滞在を管理している「入管」でどんなことが起こっているのか、4人の体験談からみてみましょう。
指と耳で見る、目と手で聞く ー視覚障害・聴覚障害のある人の暮らす世界ー

金治直美(著)
ぺりかん社
目の見えない人、耳の聞こえない人の世界はどのようなものでしょうか。視覚・聴覚障害者は、様々な工夫や最新機器を使用して生活しています。障害のある人の文化を知り、すべての人にとって暮らしやすい社会を考えてみませんか。
いっしょに翻訳してみない? ー日本語と英語の力が両方のびる5日間講義ー

越前敏弥(著)
河出書房新社
翻訳家の特別授業に参加した中学生が、オー・ヘンリー作『二十年後』の翻訳に挑戦します。小説の時代背景や人物像などが伝わるように訳すには日本語力も試されます。翻訳力が上達していく参加者たちと一緒に、翻訳や言語のおもしろさに触れてみませんか。
高校生向け
読み物
カラフル

阿部暁子(著)
集英社
駅でひったくり犯を捕まえた時に出会った、高校生の伊澄と六花。車いすユーザーの六花は気が強く、伊澄から見た第一印象は「ヤな女」でした。しかし、クラスで気丈にふるまっている六花が、放課後ひとりで歌っているのを見て…。
闇に願いを

クリスティーナ・スーントーンヴァット(著)
こだまともこ・辻村万実(訳)
静山社
不思議な力をエネルギーとして使う、架空の街チャッタナー。その街の刑務所で生まれたポンは、九歳のときに自由を求めて脱獄します。身を隠して僧侶として暮らしていたある日、刑務所長の娘ノックに見つかり、追われる身となります。
6days遭難者たち

安田夏菜(著)
講談社
軽い気持ちで登山をすることにした三人の女子高生。山頂までは順調でしたが、下山中に道に迷ってしまいます。スマホの電波は圏外となり、食料は底を尽き、低体温症になるなど、三人を様々な困難が襲います。果たして、無事に下山することができるのでしょうか。
ステイ! ーぼくとシェパードの5カ月の戦いー

青谷真未(著)
早川書房
幼い頃に両親を亡くし伯母の家で育てられた善治は、いつも伯母一家に引け目を感じながら生きてきました。そんな時、人間を信用していない元警察犬のアレックスの世話をすることになり、犬が苦手な善治は訓練所に通うことにします。
モノクロの街の夜明けに

ルータ・セペティス(作)野沢佳織(訳)
岩波書店
一九八九年、独裁政権時代のルーマニア。街中に密告者がはびこり、人々は抑圧されていました。十七歳のクリスティアンは秘密警察に脅されて密告者となりますが、祖父の言葉を胸に秘め、過酷な現状を打破しようと奮闘していきます。
死の森の犬たち

アンソニー・マゴーワン(作)尾 﨑愛子(訳)
岩波書店
七歳の誕生日に念願の子犬を手にしたナターシャ。ところが、その翌日にチェルノブイリで原発事故が起き、ゾーヤと名付けた子犬を置いて避難せざるをえなくなります。恐ろしい野生動物がいる原生林でゾーヤは生き抜いていくことができるのでしょうか。
読み物以外
無人島、研究と冒険、半分半分。

川上和人(著)
東京書籍
本州から約1200km離れた場所にある南硫黄島という無人島に、自然環境調査のため、25年ぶりに研究者達が降り立ちました。手つかずの自然が残る島で繰り広げられる冒険と調査の日々を、鳥類学者の川上さんがユーモアを交えて記します。
「よく見る人」と「よく聴く人」 ー共生のためのコミュニケーション手法ー

広瀬浩二郎(著)相良啓子(著)
岩波書店
視覚障害者の広瀬さんと聴覚障害者の相良さん。二人は大学院進学や留学などを経験し、国立民族博物館で働く研究者として出会います。それぞれの経験から、障害の有無に関係ない、誰もが分かり合うためのコミュニケーションの可能性を伝えます。
沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う

山舩晃太郎(著)
新潮社
英語力ゼロでアメリカに留学し、水中考古学の世界に飛び込んだ著者。様々な苦労を重ね船舶考古学博士になりました。美しい海底もあればドブ川もある現場で、各国の研究者たちと繰り広げる発掘現場のリアルを伝えます。
野生生物は「やさしさ」だけで守れるか? ー命と向きあう現場からー

朝日新聞取材チーム(著)
岩波書店
生態系をおびやかす危険のある野生生物たち。命の大切さを知りながらも、自然環境を守るために駆除という苦渋の選択をせざるを得ない人たちがいます。現場の人たちの話を聞いて、生きものとの共存について考えてみましょう。
水族館飼育係だけが見られる世界 ー毎日は発見と感動に満ちているー

下村実(著)
ナツメ社
30年以上水族館の飼育係をしてきた下村さん。初めての仕事は、各地の漁師とコミュニケーションを取り、世界最大の魚類・ジンベエザメを捕まえることでした。普段見ることのできない、水族館の仕事の裏側をのぞいてみましょう。
リーゼ・マイトナー ー核分裂を発見した女性科学者ー

マリッサ・モス(著)中井川玲子(訳)
岩波書店
二十世紀前半に活躍した物理学者のリーゼ・マイトナー。核分裂の発見という業績を残しますが、女性差別やユダヤ人差別があった時代に、彼女の名が表に出ることはありませんでした。歴史に埋もれ、知られることのなかったマイトナーの生涯をたどります。