2025年1月「ターゲット2 飢餓をゼロに」
今回のテーマは
「ターゲット2 飢餓をゼロに」
飢餓で苦しむ人のイメージは、日本に暮らしていると想像しづらいかもしれません。しかし、世界で人が亡くなる要因の一つは「飢餓」なのです。
この国でも「食べ物が足りない」ことは決して珍しいことではありません。私たちの大切な「食」について、考えてみましょう。
『食品ロスの大研究』なぜ多い?どうすれば減らせる?
井出留美/監修
PHP研究所
2019.11
まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」と呼んでいます。日本では1年間に約472万トン(令和4年度集計環境省ホームページより)にもなります。このうち、半分の236万トンが家庭から出ているのです。国連世界食糧計画(WFP)による食料援助量(約440万トン)よりも、日本一国の食品ロスの量の方が多いのが現状です。食品ロスがここまで多量になってしまう理由や削減のヒントについて本書で学んでみませんか。
『食べものが足りない!』食料危機問題がわかる本
井出留美/著
手塚雅恵/絵
旬報社 2022.1
この本の冒頭には、「世界で人が亡くなる主な原因の一つが、飢餓です」と記されています。では、飢餓はなぜ起きるのでしょうか。単純に考えると、食料の生産量が人口増加に追い付いていないのではと思えます。しかし、現在の穀物生産量は世界中の人口を賄う量が収穫されているのです。それでも飢餓が起きてしまう理由は何でしょうか?本書では飢餓が生じる仕組みを説明し、「飢餓をゼロに」という目標を達成するために必要な提言をしています。
『タガヤセ!日本』「農水省の白石さん」が農業の魅力教えます
白石優生/著
河出書房新社
2022.7
著者は国家公務員YouTuberとして知られる白石優生氏です。白石氏は農林水産省公式チャンネルの管理・運営を行っています。このチャンネルでは農業の魅力を発信しています。本書もYouTuberらしい、語りかけてくるような文章でとても読みやすくなっています。
日本の農業の技術力の高さから、地産地消や食品ロスの問題まで幅広く、分かり易く解説してくれます。
『食べものから学ぶ世界史』人も自然も壊さない経済とは?
平賀緑/著
岩波書店
2021.7
世界には120億人を養うのに十分な食料があると言われています。にもかかわらず、7~8億人が慢性的な飢餓状態にあります。一方で、過食による健康への影響や食品ロスが問題となっています。このような矛盾がどうして生じたかを、経済社会の成り立ちと言う視点から解説してくれます。普段口にしている食品から、資本主義経済の歴史について学んでみませんか。