おすすめの本「コンパス」2021年7月(No. 7)
2021年7月(No. 7)
中学生向け
読み物
星くずクライミング

樫崎茜(作)杉山巧(画)
くもん出版
大会でケガをしたことをきっかけに、クライミングから遠ざかろうとしていたあかり。周囲のすすめもあって、視覚に障害のある男の子のナビゲーター役として、ブラインドクライミングに挑戦することになったのですが…。
ワタシゴト-14歳のひろしま-

中澤晶子(作)ささめやゆき(え)
汐文社
修学旅行で「広島平和記念資料館」を訪れることになった中学生たち。原爆投下時の話やまっ黒に焦げたお弁当、75年前には同じくらいの歳だったおばあさんとの出会いなどを通じて、5人のワタシゴトが語られます。
蝶の羽ばたき、その先へ

森埜こみち(作)
小峰書店
朝起きると耳鳴りがした中学二年の結(ゆい)。治るだろうと軽く考えていましたが、突発性難聴と診断されます。親友にも打ち明けられず、会話が聞き取れないときもあり、不安な日々。そんなとき、手話に出会い、結の中で何かが変わり始めます。
スアレス一家は、今日もにぎやか

メグ・メディナ(著)橋本恵(訳)
あすなろ書房
メルシは奨学金をもらい、名門私立中学校に転校しました。家が裕福なクラスメイトや学校に馴染むことができない中、楽しみは放課後のおじいちゃんとのおしゃべり。ところが、そのおじいちゃんの様子がいつもと違うことに気が付きました。
アドリブ

佐藤まどか(著)
あすなろ書房
ユージは、十歳の時に無料コンサートで聴いたフルートの音に魅せられます。全くの未経験でしたが、国立音楽院の入学試験を受けて勉強できることになりました。母子家庭の貧しさを抱えながら努力を積み重ねた先にみつけたものとは。
兄の名は、ジェシカ

ジョン・ボイン(著)原田勝(訳)
あすなろ書房
「わたしがもっとも尊敬する人」という題で、作文の宿題が出たサム。もちろん書くのは四歳年上の兄ジェイソンのこと。サッカーがうまくて、学校でも人気者です。ところがある日、そんな自慢の兄からずっと抱えていた秘密を打ち明けられました。
読み物以外
動物の看護師さん-動物・飼い主・獣医師をつなぐ6つの物語-

保田明恵(著)
大月書店
動物看護師という仕事を知っていますか。動物、飼い主、獣医師をつなぐ「架け橋」となり、動物の治療や命を救うために必要なかけがえのない仕事です。6人の動物看護師に光を当てて、日々奮闘する姿や成長をつづったノンフィクションです。
性の多様性ってなんだろう?

渡辺大輔(著)
平凡社
中学生は恋バナが好き。プロポーズは男子がするもの。料理洗濯などの家事は女子がやる。これは「普通」?多様性やLGBTという言葉が広がる中での「普通」とは一体何なのでしょう。自分と周りを大切にするコツを学べる本です。
わたしの外国語漂流記-未知なる言葉と格闘した25人の物語-

河出書房新社(編) 阿部賢一[ほか](著)
河出書房新社
外国語を学ぶことは、その国の文化や歴史と触れ合うことでもあります。広く使われている言葉、少数民族の言葉、失われつつある言葉…、世界に存在するたくさんの言葉の中からなぜそれを選び学んだのか。25人の物語と、世界を旅する本です。
フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへー世界を信じるためのメゾッドー

森達也(著)
ミツイパブリッシング
新聞やテレビ、インターネットなどのメディアからは、毎日新しい情報が発信されています。しかし、伝える方法や順番、目的によって嘘となってしまうことがあります。情報を正しく読み解くためにメディアの仕組みを学びませんか。
すごいぞ!はたらく知財-14歳からの知的財産入門-

内田朋子(著)萩原理史(著)田口壮輔(著)島林秀行(著)桑野雄一郎(監修)
晶文社
「知的財産権」を知っていますか。難しそうな言葉ですが、私たちに身近な文学、音楽、アニメなどの創造物と大きく関わっています。具体的に仕事内容の説明をし、そこに関わる権利と法律をわかりやすく伝えています。
13歳からの税

三木義一(監修)
かもがわ出版
道路や水道など目に見えるものだけでなく、目に見えないサービスにも使われている税。公平に税を集めるにはどのような仕組みが必要でしょうか。税についての制度や考え方、歴史を解説していきます。
高校生向け
読み物
廉太郎ノオト

谷津矢車(著)
中央公論新社
幼い頃から音楽が好きだった廉太郎は、東京音楽学校を受験し、最年少で合格します。多くの出会いを経て、才能を開花させ、ひたむきに音楽の道を歩んでいきます。「荒城の月」や「花」の作曲で知られる音楽家・瀧廉太郎の物語です。
朔(さく)と新(あき)

いとうみく(著)
講談社
高速バスの事故で視力を失った兄の朔。その責任を感じて大好きな陸上部を辞めた弟の新。ある日、朔からブラインドマラソンの伴走者を頼まれた新は葛藤しながらも引き受けます。近くて遠い、でも信頼できる兄弟。二人の挑戦が始まります。
わたしの全てのわたしたち

サラ・クロッサン(著)最果タヒ(訳)金原瑞人(訳)
ハーパーコリンズ・ジャパン
グレースとティッピは結合双生児として生まれた女の子です。「ふたつ頭の悪魔」と外で呼ばれた事もありました。学校に行かずに学んでいた二人でしたが、家の事情で高校に通うことになります。どんな高校生活が待っているのでしょうか。
紙の心

エリーザ・プリチェッリ・グエッラ(作)長野徹(訳)
岩波書店
図書室で少女の挟んだ手紙を発見し、少年が返事を書いたことから文通がはじまります。名前も知らせず会わない約束をしたまま、二人は惹かれ合います。しかし、二人が置かれている状況には秘密があって…。
マイク

アンドリュー・ノリス(著)最所篤子(訳)
小学館
両親の期待を一身に背負いプロテニス選手を目指す十五歳のフロイド。ある大事な試合の最中にマイクに邪魔され棄権してしまいます。マイクはフロイドにしか見えず…。「散歩に行かないか?海辺へさ」と言う彼は一体何者なのでしょうか。
世界のはての少年

ジェラルディン・マコックラン(著)杉田七重(訳)
東京創元社
ヒルタ島の少年たちは、毎年夏になると戦士の岩に上陸し海鳥を獲ります。ところが、その年は約束の三週間がたっても迎えの船がやってきません。厳しい環境の中で助けを待つ主人公クイリアムと十一人の過酷な日々が始まります。
読み物以外
キリン解剖記

郡司芽久(著)
ナツメ社
19歳から約10年間で30体ものキリンを解剖してきた著者。時に失敗しながらも、キリンへの情熱を胸に、ついに大きな発見をします。幼い頃からの「好き」を追究し、研究者になるまでの道のりが生き生きと描かれています。
博士の愛したジミな昆虫

金子修治(編著)鈴木紀之(編著)安田弘法(編著)
岩波書店
虫たちの「生きかた」には不思議がいっぱい詰まっています。みんなから注目される華やかさはないですが、身近にいる魅力的な虫に夢中になった昆虫博士10人が、研究した愛しい虫の生きかたを紹介します。
僕らが生きているよのなかのしくみは「法」でわかる-13歳からの法学入門-

遠藤研一郎(著)
大和書房
「法」と聞いて何をイメージしますか。私には関係ないと思いますか。実はみなさんの生活にも深く関係しているのです。校則やルールがどんなふうに作られたのか、みんなの大切なものを守る「法」について一緒に考えてみませんか。
本当の貧困の話をしよう-未来を変える方程式-

石井光太(著)
文藝春秋
貧困は日本や海外で大きな問題とされています。それは様々な社会問題に大きく影響しています。格差社会や途上国のスラム、少年犯罪や売春など、貧困が生み出している現実と、それをどう乗り越えて行くのかを著者が語ります。