おすすめの本「コンパス」2019年7月(No. 5)
2019年7月(No. 5)
中学生向け
読み物
ラブリィ!
吉田桃子(著)
講談社
映像コンクールで特別賞をもらった拓郎。審査員から「ラブリー!」と評価された主役を演じたのは、みんなからブスと言われている女の子でした。見た目がその人の評価を決めるのか。中二男子が容姿について考えはじめます。
笑う化石の謎
ピッパ・グッドハート(著) 千葉茂樹(訳)
あすなろ書房
19世紀のイギリス。家族のために採掘場で働き始めた少年ビルは、掘り出した化石に価値があることを知り、学者の先生に売っていました。そうして化石集めをするうちに、偶然、笑っているワニのような巨大な化石を発見します。
その景色をさがして
中山聖子 (著)
PHP研究所
中学2年生のトーコは、母親を亡くしてしまいます。見せたい景色があると言っていた母親の言葉を思い出し、それがどこなのかを探し始めます。はたして、それはどんな景色なのでしょうか。
一〇五度
佐藤まどか(著)
あすなろ書房
大木戸真の夢はイスのデザイナーになること。編入先で出会った少女・梨々と「全国学生チェアデザインコンペ」に挑戦します。自分の決めた進路に向かって進むふたりは、現実との差を知り、家族の反対と向き合うことになります。
ある晴れた夏の朝
小手鞠るい(著)
偕成社
「アメリカによる日本への原爆投下は必要だったのか」ニューヨークに住む15歳の日系アメリカ人のメイは、否定派として公開討論会に参加します。両派のさまざまな意見や思いが交錯する中、全員が出す答えとは。
ガラスの封筒と海と
アレックス・シアラー(著)金原瑞人、西本かおる(訳)
求龍堂
船乗りの父を海で失ったトムは、ラジオの歌をきっかけに「誰か」に向けた手紙を瓶に入れ、海に流すようになりました。返事を諦めかけた頃に返ってきたのは、死んだ船乗りが集うデイヴィ・ジョーンズの監獄からの手紙でした。
リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ
こまつあやこ (著)
講談社
2年半ぶりにマレーシアから帰国した沙弥。ある日、図書委員の佐藤先輩から、歩きながら短歌をつくる、吟行(ぎんこう)に誘われます。帰国してから周りの目を気にしてばかりの沙弥でしたが、短歌を詠むことで世界が広がっていきます。
パンツ・プロジェクト
キャット・クラーク(著) 三辺律子(訳)
あすなろ書房
リヴは女の子。でも本当の自分は男の子だと思っています。中学生になって制服のスカートをはくのが苦痛で仕方がありませんが、なかなか周りに理解してもらえません。そこで、ズボン着用を認めさせるために秘密の計画を立ち上げます。
読み物以外
人間はだまされるーフェイクニュースを見分けるにはー
三浦準司(著)
理論社
SNSが身近な現代では、指先ひとつで誰でも情報を発信することができます。あふれる情報にだまされず、上手につきあうために知っておきたいジャーナリズムや情報についてわかりやすく説明します。
正義の声は消えない 反ナチス・白バラ抵抗運動の学生たち
ラッセル・フリードマン(著) 渋谷弘子(訳)
汐文社
第二次世界大戦中、あるビラがドイツ中の郵便受けに投函されました。「白バラのビラ」という見出しのこの紙は、ナチスやヒトラーを強く批判するものです。警察に追われながらもビラを撒き続けたのは、独裁者に抵抗した学生たちでした。
なぜと問うのはなぜだろう
吉田夏彦(著)
筑摩書房
人間はさまざまな疑問をもち、その答えを知ろうと努力してきました。死んだらどうなるのか、神や仏はいるのか。科学ではどうしても説明がつかない問題でも、哲学では扱うことができます。さて、どんなふうに考えていくのでしょうか。
10代からのプログラミング教室
矢沢久雄(著)
河出書房新社
スマホやパソコンで行う検索やゲームは、プログラムによって動いています。プログラミングができるようになると、自分のアイデアで、楽しいことや新しいこと、役に立つものを形にすることができます。プログラムのしくみを見てみませんか?
ぼくは13歳、任務は自爆テロ。
永井陽右(著)
合同出版
世界で最も危険な場所といわれるソマリア。そこには、生きるためにギャングやテロリストになるしかなかった若者が数多くいます。現地で彼らの社会復帰プログラムを行っている著者が語る、テロや紛争をなくすための方法とは。
高校生向け
読み物
かならずお返事書くからね
ケイトリン・アリフィレンカ(著)、マーティン・ギャンダ(著)、リズ・ウェルチ(編)、大浦千鶴子(訳)
PHP研究所
アメリカの少女ケイトリンは、文通相手のジンバブエの少年マーティンが貧困から脱するため、アメリカの大学を目指している事を知ります。そこで彼が奨学金を得られるよう、家族みんなで奔走しますが…。2人の18年間の交流を綴った物語です。
南西の風やや強く
吉野万理子(著)
あすなろ書房
親に言われるがまま、中学受験のため勉強漬けの生活を送っていた伊吹。ある夜、神社で同じクラスの多朗に出会い、おみくじで吉と出た南西に向かって、二人で歩いてみることにしました。この日を境に、伊吹の心に変化が訪れます。
君が夏を走らせる
瀬尾まいこ(著)
新潮社
受験に失敗した少し強面な少年、太田。高校生活にやる気をなくし、毎日をなんとなく過ごしていました。そんな彼が先輩の娘、1歳の女の子の面倒を見ることになります。慣れない子守りに奮闘しながらも自分の変化に気付く16歳の夏の物語。
凍てつく海のむこうに
ルータ・セぺティス(作) 野沢佳織(訳)
岩波書店
1945年、ソ連軍が侵攻するドイツの港から、避難民を満載した客船が出航します。そこに乗り合わせた、境遇の異なる4人の少年少女。やがて船は魚雷に当たり、沈み始めます。過酷な運命の中、懸命に生きようとする人たちの物語。
青の王
廣嶋玲子(著)
東京創元社
砂漠の都ナルマーンで、不思議な塔に幽閉された少女を助け出した孤児の少年ハルーン。自分の名前すら分からない少女と一緒に、次々と襲いかかる魔族から逃げながら、「青の王」の謎にせまります。
ひかり舞う
中川なをみ(著)
ポプラ社
時は戦国時代、父を亡くし母とも別れた7歳の平史郎は、武家の身分を捨て、針仕事で生きる道を選びます。絵師の周二との自由な暮らし、朝鮮で出会った少女への慈しみ、キリシタン達との関わりを通して、平史郎は強い青年へと成長します。
疾風の女子マネ
まはら三桃(著)
小学館
偶然見かけた陸上部の男子生徒に一目ぼれして、マネージャーになった咲良。不純な動機で入部した咲良でしたが、選手と衝突しながらも、次第に陸上に夢中になり、マネージャーの仕事に力が入るようになります。
読み物以外
宇宙を撮りたい、風船で。
岩谷圭介(著)
キノブックス
身の回りの素材を使い、工夫しながら作り上げた風船に、カメラを取り付けて、『ふうせん宇宙撮影』を試みる著者。一人ではじめた実験でしたが、次第に協力者も増えました。多くの失敗から学びながら、夢に向かって今日も頑張ります。
ナチスに挑戦した少年たち
フィリップ・フーズ(作) 金原瑞人(訳)
小学館
1940年、ドイツの占領下にあったデンマークで、10代の少年たちがナチスへの抵抗運動を始めました。彼らは自転車で走り回って標識や建物を壊し、武器を盗みました。その行動はやがてもっと大きな抵抗運動へのきっかけとなります。
エコノミストの父が、子どもたちにこれだけは教えておきたい大切なお金の話
永濱 利廣(著)
ワニ・プラス
サンプルはなぜ無料でもらえるのか。クレジットカードはいつから持てるのか。身近な「お金のこと」ですが、学校ではあまり教えてくれません。そんなお金の基本を、エコノミストである著者が、中高生に向けてわかりやすく説明します。
知らなかった、ぼくらの戦争
アーサー・ビナード(編著)
小学館
大学卒業後来日し、日本語で詩を書くまでになったアメリカ人の著者が、第二次世界大戦を様々な立場で体験した23名にインタビューをしました。アメリカ人の視点を通して新たな戦争の姿が見えてきます。
世界は変形菌でいっぱいだ
増井真那(著)
朝日出版社
5歳の時に変形菌と出会い、その魅力に夢中となった著者。飼育と研究を続けて10年になりました。その間体験したことや学んだこと、出会いを、菌の魅力とともに紹介します。好きなことを続けて世界を広げた高校生の話です。
平和をつくるを仕事にする
鬼丸昌也(著)
筑摩書房
アフリカで起こる紛争の原因が、私たちにもあるとしたら、あなたはどうしますか。著者は「今、自分に何ができるのだろう」と考えて様々な活動をしています。ささやかな取り組みから平和をつくることができるのです。