おすすめの本「コンパス」2020年7月(No. 6)
2020年7月(No. 6)
中学生向け
読み物
ぼくにだけ見えるジェシカ

アンドリュー・ノリス(著) 橋本恵(訳)
徳間書店
ファッションに興味があることが原因で、学校で孤立しているフランシス。ある日、幽霊の少女ジェシカと出会います。フランシスにしか見えないはずでしたが、ある共通点をもつ者だけは彼女を見ることができるとわかってきます。
秘密をもてないわたし

ペニー・ジョエルソン(著) 河井直子(訳)
KADOKAWA
ジェマはある日、殺人に関与した人の秘密を知ります。しかし、彼女は重度の脳性まひのため、話すことも動くこともできません。意思表示ができないもどかしさを抱える中、一番理解のあるジェマのヘルパーがその秘密に巻き込まれて…。
むこう岸

安田夏菜(著)
講談社
エリート中学校をクビになった和真。生活保護を受けている樹希。二人はあるきっかけから取引を交わします。自分たちだけではどうにもできない不条理な社会や境遇に立ち向かい、居場所を見つけるために奮闘する物語です。
リスタート

ゴードン・コーマン(著) 千葉茂樹(訳)
あすなろ書房
13歳のチェースは、屋根から落ちて記憶を失ってしまいます。以前はアメフトのスター選手として活躍していたのに、新しい友達からの評判は最悪。早く元に戻ってほしいと以前の友達は言うけれど、どちらの自分がいいのか悩みます。
天使のにもつ

いとう みく(著)
童心社
中学二年の職場体験で、適当に保育園を選択した風汰。子どもと遊んでいるだけなら楽だと思っていましたが、実際は大変な出来事の連続でした。毎日全力な子どもと真剣に向き合う風汰の、五日間の奮闘記です。
君だけのシネマ

高田由紀子(著)
PHP研究所
自分を縛り付ける母と離れ、父の実家のある佐渡島へ渡った中学生の史織。そこで、祖母が始めたミニシアターを手伝うことにしました。新しい学校の友達や島の人々とのふれあいを通して、ゆっくりと自分の居場所を見つけていきます。
わたしの空と五・七・五

森埜こみち(著)
講談社
新学期、クラスになじめなかった空良は、下駄箱に入れられていた一枚のチラシを見つけます。「しゃべりは苦手でもペンをもったら本音をぶちまけられる者よ!文芸部に入るべし」興味を持った空良は文芸部を訪ねてみることにしました。
読み物以外
ふるさとって呼んでもいいですか ー6歳で「移民」になった私の物語ー

ナディ(著)
大月書店
著者は、6歳の時にイランから来日して、在留資格がないまま暮らしています。言葉の壁や文化の違いに戸惑い、長年日本にいることで自分の故郷はどこなのか悩む日々。そんな著者が異文化の中での暮らしを伝えます。
わたしが障害者じゃなくなる日

海老原宏美(著)
旬報社
障害者が生活に不便を感じるのは、体に障害をもっているからではなく、社会のほうに生活を困難にする障害があるから。多くの人がこう考えたら、誰にとっても暮らしやすい世の中になるはずです。みんながふつうに生きるコツがわかります。
虫ぎらいはなおるかな?

金井真紀(著)
理論社
虫が苦手な著者。大好きにはなれなくても、せめて虫ぎらいを脱したいと考えました。そこで、さまざまな形で虫と深く関わっている人を訪ねて話を聞いてみることにします。
はたして、虫ぎらいはなおるのでしょうか。
死体が教えてくれたこと

上野正彦(著)
河出書房新社
監察医である著者は現場で検死をし、事件性がある場合は解剖をして、2万体もの死体を見送ってきました。死とは何か、命の尊さとは何か。多くの人の生死と関わってきた著者と共に、命の大切さを考えてみませんか。
その情報はどこから? -ネット時代の情報選別力-

猪谷千香(著)
筑摩書房
SNS、ネットニュース、どのサイトにも出てくる広告など。私たちの周りには、膨大な情報があふれています。その情報がどこからきたのか。自分に必要な正しい情報を得るためには、どうすればよいのでしょうか。
高校生向け
読み物
瓶に入れた手紙

ヴァレリー・ゼナッティ(著) 伏見操(訳)
文研出版
エルサレムに住んでいるタルは、テロが続く日常の中で、パレスチナの誰かに手紙を書くことを思いつきました。いいことが起こるようにと願いを込めて、手紙を瓶に入れ、海に投げてもらうよう兄に頼みます。数週間後、手紙に書いたメールアドレスに返事が届き…。
ソンジュの見た星 -路上で生きぬいた少年-

リ・ソンジュ(著) スーザン・マクレランド(著)野沢佳織(訳)
徳間書店
1997年の北朝鮮の首都・平壌で、ソンジュは不自由のない生活を送っていました。しかし父親の失脚を機に、生活は一変します。飢饉の中で食料の配給はなく、両親は行方不明となり、ソンジュは全てを失います。脱北した著者の実話です。
この川のむこうに君がいる

濱野京子(著)
理論社
同情されるのが嫌で、震災の被災者であることを隠して高校生活を始めた梨乃。以前からやりたかった吹奏楽部に入部します。そこで、福島から来たと自己紹介する遼と出会います。部活動や遼と関わるうちに気持ちに変化が表れます。
ヒトラーと暮らした少年

ジョン・ボイン(著) 原田勝(訳)
あすなろ書房
ドイツ人とフランス人の両親を持つ7歳のピエロ。世界が第二次世界大戦に向かう中で両親を亡くし、叔母さんに引き取られます。叔母はヒトラーの別荘で働く家政婦。ヒトラーとの交流を重ねる内に、少年はヒトラーへと傾倒していきます。
ぼくたちは幽霊じゃない

ファブリツィオ・ガッティ(著) 関口英子(訳)
岩波書店
アルバニアの情勢不安から逃れて、不法移民としてイタリアに暮らすヴィキ。新しい生活に希望を抱いていましたが、実際は幽霊のように存在しない人間として生活する日々。そんな中、ヴィキは小学校に通えることになり…。
エヴリデイ

デイヴィッド・レヴィサン(著) 三辺律子(訳)
小峰書店
「A」は、毎朝違う人間のからだで目が覚めます。容姿も性格も性別も異なる人生を渡り歩く「A」。宿主となる彼らの共通点は、メリーランド州に住む16歳ということ。そんな「A」の日常はある少女と出会うことで大きく変わっていきます。
読み物以外
国境なき助産師が行く ー難民救助の活動から見えてきたことー

小島毬奈(著)
筑摩書房
著者は助産師として、世界各地の難民を相手に働いています。環境の不整備や、現地スタッフとの温度差に悩んだり、女性を取り巻く不遇な境遇に直面したり、現場では日本の常識が通用しないことばかり。それでもめげない著者の体験記です。
内戦の地に生きる ーフォトグラファーが見た「いのち」-

橋本昇(著)
岩波書店
フォトグラファーの著者が撮影した、内戦の地や難民の人々。そこには紛争、飢餓、貧困などを原因とする「死」と隣り合わせの日常が写っています。「生」と「死」の世界を見てきた著者が、「いのち」について伝えます。
世界の海へ、シャチを追え!

水口博也(著)
岩波書店
世界各地の海で暮らすシャチは、生活する環境により獲物の捕り方が違います。群れで暮らすシャチたちの強い絆と狩りの伝承について、長い間彼らの写真を撮り続け、見つめてきた著者が報告します。
昆虫たちの世渡り術

海野和男(著)
河出書房新社
昆虫は、小さく生きることを選択し、大成功した地球最大の動物グループです。敵が来たらとにかく隠れる擬態、植物とハッピーな共生、プレゼント大作戦や唄を歌っての求愛など、昆虫の様々な生きる知恵を紹介します。
平和のバトン ー広島の高校生たちが描いた8月6日の記憶-

弓狩匡純(著)
くもん出版
2007年、広島の高校で始まった「次世代と描く原爆の絵」プロジェクト。被爆体験をした語り手たちが見た光景を聴き取り、美術を学ぶ高校生たちが油絵で描き起こしていきます。高校生たちは、原爆の記憶をどのように表現したのでしょうか。
ヒマラヤに学校をつくる ーカネなしコネなしの僕と、見捨てられた子どもたちの挑戦-

吉岡大祐(著)
旬報社
22歳の時に鍼灸師(しんきゅうし)の資格と少しのお金を持って、ネパールに旅立だった著者。現地で治療を続けるうちに母子家庭の悲惨な生活を知り、教育によって子どもの未来を変えるための活動を始めます。